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上は私が山の写真を見せる時に、ベストショットだとして見せるもので、槍ヶ岳山荘に滝雲がかかっている図ですが、この写真を使って面白い話ができるのです。
この写真を見せただけでも驚かれるのですが、次にどこの山かわかるか聞いて、富士山の次に人気の山だよと言ってヒントを与えるのですが、なかなか当たりません。
高さでベスト5に入る北岳や奥穂高岳あたりを言う人が多いのですが、けっこう槍ヶ岳は出てこないのです。
私が以前見た山雑誌の人気順位でも槍は2位でしたし、山好きでしたら槍は富士山の次かまたはそれ以上の憧れの存在なのです。
なかなか当たらないところで、下の写真を見せて正解を教えるのですが、「そうかー」と納得してもらえるのでこれが面白いのです。
徳澤経由で槍ヶ岳に向かう
今回は初めての槍でしたので、王道の上高地から徳澤で1泊して向かいました。
徳澤園はあるショップの店員から、いいところだと聞いていたので期待して行ったのですが、まさに期待通りのいいところで、まさにプチホテルとでも言えるところでした。
山荘なのに風呂もあり食事も文句無しで、寝室も大部屋だと普通プライバシーもなにも無しの雑魚寝になるのですが、ところがこちらはカプセルホテル並みにカーテンもあり、プライバシーもバッチリでした。
徳澤園を出発してからは、槍沢ロッジを経由して槍に向かいます。
7月とはいえ、まだまだ残雪の残る山を見ながら黙々と登りますが、さすがに泊りの荷物を持っては、歳のせいもありかなりこたえましたが、憧れの槍を目指して進みます。
へとへとになってもうダメかと思っていたところ、ついに槍がその姿を現してきましたが、近くで見るとそんなに尖っていないのが意外でしたし、花もけっこう咲いていましたね。
槍の穂先(頂上)に登っている人たちをみたら、まるでアリンコのようでした(笑)
槍ヶ岳山荘で憩う
やっとのことで槍ヶ岳山荘に着きましたが、頂上まではそこから30分ほどで、私の場合小屋などに泊まる時は、翌朝に登って頂上で日の出を見ることにしていましたので、あとは小屋で休むことにしました。
実はこの時小屋の前にいた登山客のひとりに、小屋からの眺めと穂先(頂上)からの眺めは違うのですかと聞いたのですが、その人は「変わんないよ」と言うので、疲れてもいたので翌朝穂先まで登るかどうか迷ったのですが、意を決して登ったことにより最高の眺めを見ることができ、素晴らしい経験をすることができました。
ああ、あの人の言うこときかないでよかった・・
モルゲンの中穂先に登る
一夜明けると晴れており、これは見事なご来光が拝めると期待が高まりましたが、日の出が近づくと小屋の周りはモルゲンロート(朝焼け)に染まりはじめ、得も言われぬ景色が続きました。
さてそれから穂先に向かいましたが、けっこう朝に登る人は少なく10人程度で、小屋には500人以上が泊まっているはずなのに、せっかくここまで登って頂上からのご来光も見ないとはもったいない話です・・
やはり泊り客は高齢者が多いので、ここまで登るのがやっとで、朝4時に起きて30分かけて穂先に登る気力もないのかも知れません。
まあ、おかげで頂上では混み合うこともなく余裕で日の出を待ち、あとは記念撮影を楽しみました。
槍の幻想
そうしていたところ、とんでもない天体ショーが始まったのです!
晴れ渡っていたところに白い雲が沸き上がってきて、山荘を含めそのすべてを覆い隠し始めたのですが、この時の雲はまさに滝のように流れてきて、あっという間に山全体を覆い隠してしまったのです!
このような見たこともないような天体ショーを見ることになり、おかげで私は1時間ほども頂上でこのショーを見続けるという、かけがえのない経験をすることができました。
ああ、あの登山客の言うこと聴かなくて良かった。
こちらはまるでシロクマのよう
頂上で雲海やご来光を見るということは、登ってればそれなりにあり珍しいことではないのですが、このように滝雲が沸き上がってきて、あっという間に山を覆い隠してしまうということは、めったに起こらない超自然現象なのです!
その素晴らしい滝雲を、憧れの槍で見れたことは一生の思い出になりましたし、またそれを人に教えるという自慢の種にもなって嬉しい限りです。
最後はお花をいくつか載せておしまいにします。
